起業の学校福島キャンパスも、残り3回、卒業式を除くとあと2回の授業となりました。
今回は、授業の前日に、福島の県南に位置する泉崎村にあります、社会福祉法人こころんを視察させていただきました。
こころんは主に精神障害者の方々と一緒に、「こころや」という産直市場や、養鶏や農場の経営をされています。
商品開発にも力を入れていて、「こころん」ブランドのカレーやプリンなどもありました。プリン、美味しかったです(#^^#)
さて、今回の授業ですが、
前回授業と宿題で、自分の事業の『商品』を考えて来てもらいました。
とはいえ、まだこの段階では、本当の意味での『商品』にはなっていません。
本当に買ってもらえる商品なのか、本当に事業として成り立つ商品なのか?(つまり、生計が立てられるのか。ボランティアで実施するならそこまで考えなくて良いのですが。)
起業の学校は、理念を大切にするので、商品を考える時も、「売れるかどうか」よりも「社会に必要だ」という思いで商品が開発されがちになります。それは悪くはないのですが、それが独りよがりになっていては、誰も見向きもされない商品になります。結局社会に受け入れられない商品を開発しても、理念から遠ざかることになります。
この、理念と現実社会(潜在顧客)を結ぶ『商品』に命を吹き込むべく、この回は、名古屋キャンパス講師の鈴木(副校長)に担当してもらいました。
また他にも、今回は前掲の(社福)こころんの熊田副理事長も授業に特別参加していただき、生徒の皆さんに大先輩として様々なアドバイスもしていただけました。熊田さん、ありがとうございました!
さて、まず始めに行いましたのは、「いったい顧客は誰なのか」を、よ〜く考えることです。
各自考えた商品を、誰に届けたいのか。誰が買ってくれるのか。いわゆるターゲットですね。
ここで気をつけなければならないのは、「この商品に関心のある人に買ってもらいたい」というもの。
関心のある人が買うのは……当たり前なんです(^^;)
もちろん、事業を始めても最初は関心層にすら情報を届けるのが大変なので、まずはここをターゲットにしたくなる気持ちも分かるのですがね(^^)。
と、そんなわけで、顧客について具体的なイメージを考えてもらううちにお昼が来てしまいました。
この日は、会場であるら・さんたランドさんで、高校生が開発したパンを販売するというイベントの日でもありました!
私たちも、高校生が開発したという、塩レモンパンやグラタンパンを美味しく頂きましたよ
(o^-^o)
午後は、生徒のうちのお一人の考えてあぐねている事業について、深掘りしていきました。
これは、少人数の福島キャンパスならでは、ですね。
他の生徒さんも、人へのアドバイスを聞きながらも、それぞれに学んだり、協力できることを考えたり、と良い時間となりました。
特に、具体的な現場があるその人に対して「毎日、気づいたことをメモに残すこと」というアドバイスがありました。人を説得したり人から協力を得るのに、「想い」の強さも大事ですが、確かな証拠に基づく提案ほど力のあるものはありません。事実の積み重ねは、いつか、もの凄い力になります。
次に、ビジネスモデルを考えます。
単純に、商品を仕入れて売って成り立つビジネスなら簡単なのですが、社会性を持った事業の場合、顧客が十分なお金を払えなかったり、周囲を巻き込む必要があったりします。それらを自社を中心にしてビジネスモデルとして表現します。
この時、事業に必要なステークホルダーが分かったり、別の商品の必要性に気づいたり、足らない社会資源に気づいたりすることもあります。
最後は、起業の学校イチ眠たい授業(^^;;、数値計画です。
起業の学校では、分かりやすく、カフェの起業を例にとって、資金計画と収支計画について話をしていきます。
特に収支計画で気をつけなければならないのは、利益が出ることもさることながら、キャッシュが残るかどうかです。たとえ利益が出てもキャッシュが無くなれば事業は継続できません。いわゆる黒字倒産というものですね。
それを、カフェを例に、分かりやすく解説しました。今回は眠くなる生徒もいなかったようです(^^)
授業後は、新幹線の終電の時間ギリギリまで、個別に生徒の相談に乗り、新幹線に飛び乗って名古屋への帰途に着きました。
生徒のみなさん、熊田さん、鈴木さん、お疲れさまでした。