2017年05月10日

起業の学校は「理念づくり」が特長と言われていますが……

起業の学校の受講生の感想の中では、
「理念ができて良かったです。」
「理念づくりばかりさせられました」
といった、「理念」に関する感想を一番多くいただきます。

実際には、商品開発とかマーケティングとか収支計画とかもやってるんですけど、あまりそこは印象に残らないようで……。

ということで、今回は「理念」について取り上げてみたいと思います。
(あくまで、福島キャンパス担当の戸上の見方ではありますが……。)

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先のブログに、「理念が見据える未来はだいたい2000年先とも言われている」ということを書きました。

これはまぁ、理念というものは、
「ものすごく頑張れば解決するぐらいの課題を解決すること」でもなければ、
「自分が良いと思ったことを社会に提供したいというような願望」でもなければ、
「『◯◯年後にこうありたい』という将来像」でもない、
ということを表現するのに「2000年先」と言ってみただけです。

(なので「2000年」に意味があるわけではないです。ネイティブアメリカンは「7世代先」のことを考えると言われていますが、自分が想像できる程度の未来より「先」を見据えるという意味では似ているような気がします。)

しかし、そんなことを思って理念を考えると、何か当たり前のことしか言えなくなってしまうことが往々にしてあります。

例えば
「みんなが安心して生きられる社会を目指します」とか、
「豊かな価値を創造します」とか、
「人びとの幸せな暮らしに貢献します」とか。

自分の中から理念を作ろうと思って、結果こういう表現になった時、
「確かにそうだけど、私が表現したいことはそうじゃない!」となるわけです(苦笑)。


では、どうしたらいいのか。
理念を作るときに大事なこととして、「本望かどうか」ということが一方であります(私自身は、これが一番大事なんじゃないかと思っています)。
「そのことに、本気で自分の人生を懸けられますか?」ということですね。

例えば「人びとの幸せな暮らしに貢献します」という理念を作ったとしたら、
「あなたは、自分の残りの人生を全て懸けて『人びとの幸せな暮らしに貢献する』意志が、本当にありますか?」
ということです。
そうすると「いやいや、そこまで真剣になる必要もないでしょ。言葉のあやじゃないですかぁ、ハハハハ……。」となるわけです。理念の表現が“緩い”とこうなります。(で、往々にして、不祥事を働く企業は、こういう緩い理念のところがどうも目に付きます。)

この言い方は批判もあるでしょうが、あえて言いますと、「理念は、自分の命と引き替えにできるもの」とも言えます。「そのためなら死ねる」というか……(これこそ言葉のあや(^^) そんなに簡単に死んじゃダメですよ、皆さん)。

とまぁ、そういうことを意識して、もう一度自分の〈想い〉を見直すと、「そこまで本気ではないな」という〈想い〉がどんどん捨てられていくことになります。実は、始めてこの作業を行うと、本気の〈想い〉が一つも残らなかった、なんてこともあります。でも、それはそれ(^^)。またいろんな経験を積むことで〈想い〉が溜まっていくので、また〈想い〉の棚卸しからやり直しましょう。きっと前とは違った〈想い〉が出てくるはずです。しかし、ここで一つでも本気の〈想い〉が残ったら、それこそ理念の〈タネ〉です。その〈タネ〉を手がかりに、形にしていきましょう。

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実は起業の学校では、ここまで丁寧に理念をやりません。
「理念ばかりさせられた」と卒業生から言われていますが、理念に関して言うと、授業では実はほんの入口しかやっていません。なぜなら、理念は、考え始めてから形になるまで、だいたい10年ぐらいかかると言われているからです。そう簡単に「本望」は形にならないようなのです、残念ながら(苦笑)。(時には、いわゆる「降りてくる」人もいるので、その時は一瞬でできるみたいですけどね。)

私たちも、理念を考えやすくする方法を教えたり、一緒に言葉を探したり、といったこともしますが、最終的には前述のように本人(団体の理念だとグループ)が心の底から「これだったら本気でそう思う」というものができるかどうかであって、そのためにはある程度時間の経過も必要な場合が多い、ということですね。

「じゃ、その10年間、どう過ごせば良いんだ?」てことですが……(^^;)。
まず、「理念を考え始めた」ということが凄く大事なんだと思っています。まだ言葉にはなっていないけど「考え始めた」ということは、その後の人生に何らかの影響があると信じています。
そして、最初につくった理念は、曖昧だったりしっくりこなかったすると思うのですが、それでも理念なしに起業しようとするよりは、起業家にとっても社会全体にとっても、随分良いことだと思っています。

もし、最初につくった理念が、物足りなくなったり、「今だったらちゃんとした理念ができるのではないか」と思った時に、自分でまた理念づくりができるように、起業の学校では、理念づくりのためのワークの仕方をお教えしているわけです(もちろん、個別にも相談に乗りますけどね)。

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理念って、無くても別に生きていけるので、どうしても作らなきゃいけないものではないわけですが、考え始めると、奥が深くって、とっても面白いんですよね。心理面にも良い影響を与えるような気がしますし……(少なくとも私は、理念ができて元気になりました p(^_^)q 9年かかりましたね、理念が確定するまでに)。

ということで、
そんな奥深い理念について、あなたも真剣に考え「始め」たくなりましたら、ぜひ起業の学校の門を叩いてみてください。
起業の学校の申し込み〆切まであと僅かですので、下記をご参照ください。
ちなみに、起業するつもりはないけど、理念は考えてみたい人はまた個別に相談してくださいね。場合によってはお手伝いさせていただきますので。

福島キャンパス第3期  ⇒ http://kigyo-fukushima.seesaa.net/article/448211377.html
名古屋キャンパス第13期 ⇒ http://blog.canpan.info/gakko/archive/157

※通信クラス ⇒ 上記2キャンパスに通うには遠方の方、また、土曜日に時間のとれない方向けに、通信クラスを準備中です。8月開講を予定しています。今月中には募集要項を発表できるかと思います。今しばらくお待ちください。

posted by 起業支援ネット at 14:57| 福島 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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