2015年12月17日

起業の学校第1期 第7講・卒業式 11/28

戸上です。
遅れて名古屋から来るメンバーには「寒いですからね」と伝えてから福島入りした11月28日、ついに、福島キャンパス「第1期」が卒業式を迎えました。

そう。「第1期」!
今まであまり使ってこなかった、そして使う時も自信なげに使っていた「第1期」という言葉、この日から正式に力強く使うことにしました。なぜなら、来年第2期を行うことを、正式に決めましたので(^^)。
決めたら決めたで、この「第1期」という響き、良いものですね。先駆者というか、挑戦者というか、第一発見者というか(笑)、前人未踏なものに臨む勇者の響きを感じてしまいます。

この日、第7講目は、いよいよ最終日になります。
午前中は、午後からの卒業発表会を控えて、発表練習の時間に充てました。
少人数の発表会とはいえ、そこは改まった場。会場もいつもの教室とは違い、二本松市の男女共生センターをお借りしていますので、今までとは違う緊張感があります。
その中で、2分間という時間を使って、自分の事業、自分のやりたいこと、自分のこれから進む道などを、初めて会う人に聞いてもらいます。

起業家にはどうしても、このようなプレゼンを必要とする時が訪れます。しかし、私たちがプレゼンに求めるのは、上手くしゃべることではありません。起業の学校で作ってきた事業計画等の最終成果物は、完成度からいうとまだまだなところがあります。そのような計画について上手くしゃべれ、という方が無理があろうというもの。しかし私たちは、起業の学校で何を行ってきたのでしょうか。計画の前に、ひたすら理念を求め続けてきたのです。理念をつくり、理念から思考を積み重ね、時に理念を立ち戻り、再考を重ねてきました。そこで産まれた成果物は、その人の「本気」です。事業計画書はまだまだ拙いかもしれません。いや計画とすら言えない代物かもしれません。でも「私はこれに向かって本気で進みたいんです」という意志。これがまず第一にプレゼンで発表してほしいこと、相手に伝えて欲しいことなんです。

午後には、指南役の方も会場入りされて、いよいよ卒業発表会が始まりました。

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今回お呼びした指南役の方は、福島で実際に事業を営まれている、社会福祉、NPO、公益財団、税理士の立場の方にお声がけさせていただきました。また、名古屋キャンパス第10期卒業生の1人が現在栃木に在住されていたこともあり、彼にもゲストで来ていただきました。

卒業発表会は、まずは午前中にさんざん練習した2分間プレゼンテーション。
次に、より深く指南を受けるために、グループに分かれて、30分2ラウンドのバーチャル・ボード・ミーティング風のセッションを行ってもらいました。

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各生徒は、個性ある指南役の皆さんから、様々なアドバイス・感想・質問・提案・意見・叱咤・激励・応援などをいただきました。指南役の皆様、本当にありがとうございました。

生徒にとって、起業の学校最後の試練(授業)である卒業発表会を乗り越えた後には、待望(?)の卒業式です。
起業の学校では、卒業式に卒業証書をお渡しするのですが、文面が一人一人異なるのも起業の学校の特徴です。「以下同文」なんて寂しいことは言いません。講師一同で、一所懸命に考えた文面を、法人代表・久野から手渡しました。

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最後に、生徒と指南役から一言ずつもらい、卒業式は懇親会へと流れていくのでした。

生徒の皆様、ご卒業、おめでとうございました!
そして、7ヶ月間、本当にお疲れさまでした!
そしてそして、これからが本当のスタートです(笑)
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2015年11月06日

起業の学校第1期 第6講 10/24

戸上です。
起業の学校 福島キャンパスも、卒業式の前の最後の授業となりました。

この日は、各自、卒業へ向けた課題に取り組みました。
本来ですと、順調にカリキュラムを消化できている生徒さんにとっては、宿題で出されていた事業計画書が(まがりなりにも)完成し、この回では実現へ向けたプロセスをデザインすることで、起業へ向けた具体的な行動へ移せるように促す回となるところです。
しかし、現実はそんなに上手くコトが運びません(^^;)

途中で挫折しそうになって、まだ事業コンセプトができない人。
いやいや、その前に現状把握もまだ危うい人。
或いは、紆余曲折の末に、理念からもう一度やり直したい、という人。
皆さん、起業の学校のカリキュラムをはずれて、様々なプロセスを辿ります(^^;)

しかし、ここまで来たら(起業までのプロセスは前回までで、おおよそお伝えできているので)、各自がそれぞれの気づきに基づいて、自分自身で卒業までのプロセスを歩まれることを尊重したいと思っています。

ですので、授業としては最後の回であるこの回は、卒業発表へ向けた大相談会、みたいになりました。

さて次回は、いよいよ、卒業式。
それぞれが、起業の学校7ヶ月の通学を通じて描いたこと、学んだこと、気づいたことを総動員し、それらを一つの形にして発表します。
まだまだよちよち歩きのプランではあるかもしれませんが、とても楽しみです。

起業の学校福島キャンパス第1期の卒業式は、11月28日に行われます。
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2015年10月01日

起業の学校第1期 第5講 9/26

戸上です。
起業の学校福島キャンパスも、残り3回、卒業式を除くとあと2回の授業となりました。

今回は、授業の前日に、福島の県南に位置する泉崎村にあります、社会福祉法人こころんを視察させていただきました。
こころんは主に精神障害者の方々と一緒に、「こころや」という産直市場や、養鶏や農場の経営をされています。
商品開発にも力を入れていて、「こころん」ブランドのカレーやプリンなどもありました。プリン、美味しかったです(#^^#)

さて、今回の授業ですが、
前回授業と宿題で、自分の事業の『商品』を考えて来てもらいました。
とはいえ、まだこの段階では、本当の意味での『商品』にはなっていません。

本当に買ってもらえる商品なのか、本当に事業として成り立つ商品なのか?(つまり、生計が立てられるのか。ボランティアで実施するならそこまで考えなくて良いのですが。)
起業の学校は、理念を大切にするので、商品を考える時も、「売れるかどうか」よりも「社会に必要だ」という思いで商品が開発されがちになります。それは悪くはないのですが、それが独りよがりになっていては、誰も見向きもされない商品になります。結局社会に受け入れられない商品を開発しても、理念から遠ざかることになります。

この、理念と現実社会(潜在顧客)を結ぶ『商品』に命を吹き込むべく、この回は、名古屋キャンパス講師の鈴木(副校長)に担当してもらいました。
また他にも、今回は前掲の(社福)こころんの熊田副理事長も授業に特別参加していただき、生徒の皆さんに大先輩として様々なアドバイスもしていただけました。熊田さん、ありがとうございました!

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さて、まず始めに行いましたのは、「いったい顧客は誰なのか」を、よ〜く考えることです。
各自考えた商品を、誰に届けたいのか。誰が買ってくれるのか。いわゆるターゲットですね。
ここで気をつけなければならないのは、「この商品に関心のある人に買ってもらいたい」というもの。
関心のある人が買うのは……当たり前なんです(^^;)
もちろん、事業を始めても最初は関心層にすら情報を届けるのが大変なので、まずはここをターゲットにしたくなる気持ちも分かるのですがね(^^)。
と、そんなわけで、顧客について具体的なイメージを考えてもらううちにお昼が来てしまいました。

この日は、会場であるら・さんたランドさんで、高校生が開発したパンを販売するというイベントの日でもありました!
私たちも、高校生が開発したという、塩レモンパンやグラタンパンを美味しく頂きましたよ
(o^-^o)

午後は、生徒のうちのお一人の考えてあぐねている事業について、深掘りしていきました。
これは、少人数の福島キャンパスならでは、ですね。
他の生徒さんも、人へのアドバイスを聞きながらも、それぞれに学んだり、協力できることを考えたり、と良い時間となりました。
特に、具体的な現場があるその人に対して「毎日、気づいたことをメモに残すこと」というアドバイスがありました。人を説得したり人から協力を得るのに、「想い」の強さも大事ですが、確かな証拠に基づく提案ほど力のあるものはありません。事実の積み重ねは、いつか、もの凄い力になります。

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次に、ビジネスモデルを考えます。
単純に、商品を仕入れて売って成り立つビジネスなら簡単なのですが、社会性を持った事業の場合、顧客が十分なお金を払えなかったり、周囲を巻き込む必要があったりします。それらを自社を中心にしてビジネスモデルとして表現します。
この時、事業に必要なステークホルダーが分かったり、別の商品の必要性に気づいたり、足らない社会資源に気づいたりすることもあります。

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最後は、起業の学校イチ眠たい授業(^^;;、数値計画です。
起業の学校では、分かりやすく、カフェの起業を例にとって、資金計画と収支計画について話をしていきます。
特に収支計画で気をつけなければならないのは、利益が出ることもさることながら、キャッシュが残るかどうかです。たとえ利益が出てもキャッシュが無くなれば事業は継続できません。いわゆる黒字倒産というものですね。
それを、カフェを例に、分かりやすく解説しました。今回は眠くなる生徒もいなかったようです(^^)

授業後は、新幹線の終電の時間ギリギリまで、個別に生徒の相談に乗り、新幹線に飛び乗って名古屋への帰途に着きました。
生徒のみなさん、熊田さん、鈴木さん、お疲れさまでした。
posted by 起業支援ネット at 14:39| 福島 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1期 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月30日

起業の学校第1期 第4講 8/22

戸上です。
残暑厳しい折の曇りの日に行いました第4講。
この回は、商品開発です。

この回まで来ると、いよいよ起業が具体性を帯びてきます。
既に具体的な構想を持っている人は、「いよいよ!」と言ったところ。
一方で、起業はまだ先だと思っている人は、具体的な商品を思い浮かばなくて苦労するところ?(^^;

起業を考える際、
・やりたいこと/成し遂げたいこと(理念)、
・求められていること(ニーズ)、
・できること/既に在るもの(シーズ)、
この3つが重なったところで起業することが良いと、起業の学校では教えています。

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コミュニティビジネスの発展段階(詳しくはこちら)においては、想い醸成期が、この3つに考えを巡らす時期となります。
しかし、理念は自分の中にあるもの(自分の中にしかないもの!)なので想い醸成期で作れますが、ニーズはこの時期では想定でしかなく、シーズに至ってはまだまだ足らないことが多いものです。

起業の学校では前半が、想い醸成期にあたる部分を整理する段階にあたります。
この段階までは、全ての人に共通して取り組んでもらうので、足並み揃えて進むことになります。

しかし、今回あたりから(共通したワークは提供するものの)、取り組み姿勢に関しては、各生徒さんの現状に応じて、個別対応の様相を呈してきます。
なぜなら、起業の学校には様々な段階の生徒さんたちが来られるからです。既に単発イベント的に試しに取り組みを始めてみた人(社会実験期にいる人)もいれば、これから仲間を探したり必要な知識や技量を磨いたりする人(これから共同学習期に入る人)がいることもあります。生徒さんによって、各自把握してるニーズと確保してるシーズの質と量が全く異なり、それはそのまま、商品開発の精度に反映してきます。

今回、商品開発に関する多様な視点を講義でお話しした後、実際のワークに入っていきました。

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これから共同学習期に入る段階の人は、商品開発の「練習」をすることになります。いずれ必要になる考え方なので、知っておくとよい、ということもありますが、共同学習期に入るにあたっての目標物を設定してみる、ということにもなります。ワークでは、現段階の情報で、商品開発に取り組んでもらうことになります。

しかし、これから社会実験期に入る人や、既に事業展開期に至ろうとする人は、既に、ある程度のニーズを把握していたり、シーズを持っている人だと思われます。このワークを通じて、具体的に商品を設計していくことになります。

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今年の福島キャンパスでは、具体的な構想についてはこれから考える、という段階の生徒さん達です。なので、商品開発は少し苦しかったかもしれませんね(^^)。しかし、先行事例を参考にもしながら、将来の自分の事業について具体的にイメージしてみるのは大切なプロセスなので、踏ん張ってほしいと思います。

お疲れさまでした(^^)

posted by 起業支援ネット at 14:09| 福島 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1期 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

起業の学校第1期 第3講 7/25

戸上です。
ご報告が遅れておりました第3講です。
前半のヤマ場、事業コンセプトづくりです。
この回の講義は、久野が担当しました。

最初に、宿題である現状把握を共有したのち、
久野から、今回の主題である「コンセプト」について講義しました。

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例えば、「ディズニーランド」と「三鷹の森ジブリ美術館」を対比させるなど、楽しげな事例も交えながら o(^-^)o 、似た事業でもコンセプトが異なることで顧客層や会場づくりやスタッフの対応までも変わんですよ、ということを分かりやすく伝えました。
さらに、起業支援ネットが持つ具体的なコミュニティビジネス事例の中から、コンセプトが強い推進力を生み出した特定非営利活動法人Mama’s Cafeの事例について、ご紹介しました。

その後は、ワークです。

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事業コンセプトの作成方法に正解はありません。センスがあれば、あーでもない、こーでもない、とグルグル考えを巡らしながら、ある瞬間に“パッ”と産み出してしまうものであったりします。
起業の学校では、センスのある/なしに関係なく何らかのコンセプトが産み出せるように、発想を補助するワークを行っていきます。今回は、未来社会を予測した上で、その未来社会のニーズは何だろう、ということを考える補助ワークを行いました。

理念は、きちんと作ればほとんどの場合、人生を通じて変わることがありません(表現がクリアになるという変化はあります)。
しかし、コンセプトには寿命があるのが常です。数年で廃れるコンセプトもあれば、数十年続くコンセプトもありますが、時代の流れで変わっていくのがコンセプトです。
なので、まず数年先〜10年先程度の未来を予測した上で、その時代に合わせてコンセプトをつくることで、1年2年では廃れないコンセプトを産み出そうとすることを、起業の学校では大切にしています。

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また、理念は目標としては遠いので(自分の生きているうちに実現するとは限らないし!)、人によって井は時にしんどくなることもあるようです(^^; 。一方、良いコンセプトは、何だか“ワクワク”します(^^)。前向きになれます(^^)。そしてそれが事業の推進力へとつながっていきます。

最後に、事業コンセプトを成就するための“機能“(事業ドメインのようなもの)を考えて終了しました。

宿題は、今回のワークをもう一度考え直してくることと、最後に行った“機能”の中から、自分がまず行いたい項目を選んだ上で、その先行事例を調査してくるです。

コンセプトづくりは、発想の飛躍も必要なので、また違った頭の使い方をしましたので、生徒の皆さんは今回もたっぷりお疲れだったと思います。お疲れさまでした(^^)

posted by 起業支援ネット at 11:38| 福島 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1期 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする